汗の描き方で大切なのは「透明っぽく見せる」と「下に向かって描く」の2つだけです。
この簡単なコツを知っているだけで、初心者でも自然で魅力的な汗が描けるようになります。
汗って実際に見てみると、肌の色が透けて見えていますよね。なので、汗を描くときも肌の色が少し見えるように描くことが大切です。
また、汗は水なので重力で下に流れます。上向きや横向きに描いてしまうと、とても不自然に見えてしまいます。
この記事では、初心者向けのシンプルな汗の描き方から感情を表現する応用テクニックまで、すぐに実践できる方法を分かりやすく解説します。
汗の描き方の基本を知ろう
汗の大きさによって形が違うことを覚えておくと、自然な汗の描き方ができるようになります。
実は汗の形には決まったルールがあります。
小さな汗粒は丸い形をしています。緊張したときや、ちょっと汗をかいたときの表現にぴったりです。
普通サイズの汗は、みんながよく知っているしずく型になります。これが一番使いやすい形で、ほとんどの場面で活用できます。
大きな汗は縦に長くなって、流れているような形になります。運動した後や、とても暑いときの表現に使えます。
イラストで汗を使う目的は3つあります
目的 | 具体例 |
---|---|
感情を表す | ・緊張しているとき → 小さな汗を描く ・頑張っているとき → 額に大きな汗を描く |
状況を説明する | ・運動後の疲れ → 全身に汗を描く ・暑い日の様子 → 額や首に汗を描く |
キャラクターを魅力的に見せる | ・首筋の汗 → 大人っぽさを演出 ・頬の小さな汗 → 可愛らしさを演出 |
このように汗の描き方には「感情」「状況」「魅力」の3つの目的があります。
では実際に、初心者の方でも簡単に描ける3ステップをご紹介します。
誰でもできる!汗の描き方3ステップ
汗の描き方は、形を描く、光らせる、透明にするの3つの手順で簡単に描けます。
この順番で描いていけば、初心者でも必ず上手な汗が描けるようになります。
Step1: 汗の形を描く
色は肌の色より少し暗めの色を選びましょう。
あまり濃すぎると汗っぽく見えないので注意です。
形はしずく型を基本にして描きます。上の部分を少し尖らせて、下の部分を丸くします。ただし、全部同じ形だと作り物っぽく見えるので、大きいものと小さいものを混ぜて描きましょう。
汗を置く場所も大切です。額、こめかみ、首筋、頬などに置くと自然に見えます。必ず下向きに置くことを忘れないでください。汗同士の間隔も適度に空けることで、自然な仕上がりになります。
Step2: 光っている部分を描こう
汗に立体感を出すために、光っている部分(ハイライト)を加えます。これがあるとグッと本物っぽく見えるようになります。
ハイライトは汗の一番膨らんでいる部分に、小さな白い楕円で描きます。
あまり大きくしすぎると不自然になるので、汗の大きさの3分の1程度にしましょう。
光の当たり方を考えて、同じ方向にハイライトを付けることも大切です。
Step3: 透明感を出して完成
最後に汗を透明っぽく見せて完成です。これが汗の描き方で一番重要なポイントになります。
透明度を調整して、下の肌の色が少し見えるようにします。最初は80%くらいの透明度から始めて、自然に見えるまで調整しましょう。
私は、汗が流れるスタート部分はぼかすようにして、肌に自然に馴染むようにします。
最後に全体を見て、色が浮いていないか、バランスは良いかをチェックします。違和感があったら、色を肌色に近づけたり、透明度をもう少し上げたりして調整してください。
次は、デジタルで描くときに便利なツールについて紹介します。
Clip Studio Paintなら誰でも簡単に汗が描ける!
Clip Studio Paintの便利な機能を使えば、汗の描き方がもっと簡単になります。
手描きで一から描く必要がなく、ワンクリックで美しい汗を配置できるので、初心者には特におすすめの方法です。
初心者におすすめの汗ブラシ3選
Clip Studio Paintには汗を描くための専用ブラシがたくさんあります。その中でも特に初心者におすすめなのが以下のブラシです。
まず「尾を引く汗ブラシ」は、透明感のある自然な汗が簡単に描けます。
普通のブラシのように描くだけで、きれいな汗ができあがります。
流れるような汗も得意なので、運動後の表現にぴったりです。
「楽ちん体液ブラシ」は名前の通り、とても楽に汗が描けるブラシです。
汗だけでなく涙や雨など、いろいろな水分の表現に使えるので、一つ持っていると便利です。
「うるうる艶っぽい汗ブラシ」は、とてもリアルで美しい汗が描けます。少し上級者向けですが、きれいな仕上がりにしたいときにはとても便利です。
簡単な使い方
アセットの使い方も簡単です。CLIP STUDIO ASSETSからお気に入りのアセットをダウンロードし、素材パレットに登録するだけで使用できます。
ブラシタイプなら普通のブラシのように描くだけ、素材タイプならドラッグ&ドロップで配置できます。
サイズや色も後から自由に調整できるので、どんなイラストにも合わせられます。
アセットを活用することで、汗の描き方の練習をしながらも、すぐに完成度の高いイラストが作れるようになります。
クリスタのアセットについて詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご参考にしてください。

ブラシを使うときのコツ
ブラシを使うときも、基本は同じです。
下向きに描くこと、大きさを変えること、透明感を大切にすることを忘れないようにしましょう。
ブラシの設定も少し調整すると、もっと使いやすくなります。
筆圧で大きさが変わるようにしておくと、一つのブラシでいろいろなサイズの汗が描けて便利です。色も後から変えられるので、まずは形を描いてから色を調整するのがおすすめです。
レイヤーを分けて描こう
デジタルで汗を描くときは、レイヤーを分けると後から修正しやすくなります。汗の形を描くレイヤー、ハイライトを描くレイヤー、調整用のレイヤーなど、目的別に分けておきましょう。
これらの機能を活用することで、汗の描き方がもっと効率的になり、きれいな仕上がりも簡単に実現できます。
次は、初心者がよくやってしまう失敗と、その直し方について説明します。
初心者がやりがちな失敗と直し方
汗の描き方で初心者がよくつまずくポイントを知っておけば、同じ失敗を避けることができます。 よくある失敗パターンと、簡単な直し方を覚えておきましょう。
汗が透明に見えないときの直し方
汗を描いたけど、なんだかベタッとした感じになってしまうことがあります。
これは透明感が足りないのが原因です。
まず、汗の色が濃すぎないかチェックしてみましょう。肌の色とあまり差がありすぎると、汗っぽく見えません。
色を肌色に近づけるか、透明度をもっと上げてみてください。ハイライトも忘れずに付けることで、透明感がグッとアップします。
汗の形が不自然になってしまうとき
全部同じ大きさの汗を描いてしまったり、変な方向を向いていたりすると、とても不自然に見えます。
大きさは必ずバラバラにしましょう。大きいもの、中くらいのもの、小さいものを混ぜて描くだけで、自然さが大幅にアップします。
向きも必ず下向きにして、重力を意識することが大切です。形が硬すぎるときは、少しぼかしてあげると柔らかい感じになります。
汗を置く場所が変なとき
汗をどこに置いたらいいかわからなくて、変な場所に描いてしまうことがあります。
基本的には額、こめかみ、鼻筋、頬、首筋などに置けば自然に見えます。目や口など、表情に重要な部分には置かないよう注意しましょう。汗同士の間隔も大切で、くっつけすぎると不自然になります。
汗の数が多すぎる・少なすぎるとき
汗の数も、多すぎても少なすぎても不自然になります。
緊張や恥ずかしさを表現するなら2〜4個程度、普通の汗なら5〜8個程度、激しい運動後なら10個以上など、状況に合わせて調整しましょう。迷ったときは少なめから始めて、物足りなければ後から足すのがおすすめです。
これらの失敗パターンを避けることで、汗の描き方がより上達し、自然で魅力的な汗が描けるようになります。