ミニキャラ(デフォルメキャラ)の描き方は、「顔のバランス」「全身のシルエット」「豊かな表情」の3つを押さえるのがコツです。
本記事では、初心者でもわかりやすく描けるミニキャラの描き方を、3ステップに分けて解説します。
この記事を読めば:
- ミニキャラのバランスよい描き方がわかる
- 表情やポーズの基本が身につく
- よくある失敗を防ぎ、上達の近道がつかめる
ミニキャライラストを描き始めたい方の参考になれば幸いです!
ミニキャラ(デフォルメ)とは?
ミニキャラとは、通常の人物を 2~2.5頭身 にデフォルメ(簡略化)したキャラクターのことです。
ミニキャラの大きな特徴は、頭が大きく体が小さいことです。また、目が大きく鼻や口が小さいため、全体的に可愛らしい印象を与えます。
ミニキャラはSNSのアイコンやLINEスタンプとして活用されることが多く、イラストのワンポイントやグッズデザインにも使われています。
漫画の1コマに登場させることで、読者の印象に残りやすくする効果もあります。
通常の7頭身キャラクターと比べて、ミニキャラは初心者にも比較的簡単に描くことができます。
ミニキャラの基本の描き方を3ステップで解説
ミニキャラの基本的な描き方を、誰にでも描ける3つのステップでご紹介します。
ステップ1: 基本バランスを理解する
2頭身ミニキャラの基本は、頭と体の比率を1対1にすることです。
全体の高さを2等分して、上半分が頭、下半分が体になるようにバランスを取ります。
2.5頭身のミニキャラは、ざっくり言うと「頭1個分+胴と脚で1.5個分」というバランスです。
円を3つ縦に並べて、一番下の円を半分にしたようなイメージ。つまり、全体のうち約4割が頭、残りの6割が胴と脚にあたります。
胴と脚はだいたい半分ずつになります。
3頭身だと、絵柄によるところはありますが、ミニキャラの枠を出てしまうと感じたので2.5頭身にしました。
初心者の方には2頭身から始めることをおすすめします。なぜなら、バランスが取りやすく失敗しにくいからです。
描き始める時は、まず円を描いて頭部分を決めます
- 円をコピーして、2頭身の目安を作成します
- 上が顔、下が身体になります。胴体と脚は大体半分くらいにすると、短足にならずバランスが良いです。
どんなポーズでもこのアタリは変わらないので、応用することができます。
ステップ2: 顔を描く
顔を描く時は、まず円を描いて頭部を作ります。
完璧な円でなくても大丈夫です。今回のように人に見せない場合は私もふにゃふにゃの円を描きます。
次に、顔を描くときは十字線を描きがちですが、縦の線はそんなに必要ないと思っています。
目の位置は大体4分の1の位置に配置します。
目は大きい方が可愛いですが、絵柄に依りますし、絵柄でアレンジしても可愛いのがミニキャラの描きやすいところです。
目と目の間は大体目1個分の間隔を空けるとバランスが良くなります。
目と鼻、口はなるべく近く描くのがポイントです!
面長という言葉があるように、やはりこれらのパーツは近い方が可愛いです。
鼻の描写は省略することもあります。描くとしても、点や小さな線で十分です。
顔を描く時に大切なのは、目は大きく、鼻・口は小さくすることです。
以下の記事では、ミニキャラの目の描き方について詳細に解説しています。

また、正面顔だけでなく、横顔のバランスに悩む人も多いと思います。
以下の記事で詳しく解説しているので、横向きにも挑戦したい方は参考にしてみてください。

ステップ3: 体を描く
体を描く時は、まず頭の下に楕円で胴体を描きます。楕円というよりは、下に向かって広がるもったりとしたフォルムを意識しています。
これはいわゆる赤ちゃん体型・ぬいぐるみ体型というもので、お腹やお尻が丸い方が可愛いという法則に則っています(昔どこかで見た法則です)
頭より少し小さめに描くのがポイントです。
腕は、私は胴体と同じくらいで描いています。ポーズによっては手の長さが足りないこともあるため、自由に伸ばします。
脚は、胴体の残りの半分で描きましょう。太めに描くと安定感が出ます。
脚が細すぎると上を支えられないような印象を受けて、見る人に不安や違和感を与えてしまいます。
絵柄によっては関節を描くこともあります。関節部分は曲線で柔らかく描き、細かい筋肉や骨格は描かないようにします。
ミニキャラの基本の表情3パターン
ミニキャラの表情の描き方は、目と口の組み合わせで簡単に作れます。
普通の表情は、丸い目と黒目を中央に配置し、口は小さな横線または点で描きます。
基本の表情として使えるほか、落ち着いた印象を与えたい時に効果的です。
笑顔は、目を下向きの弧(三日月型)または点で描き、口を上向きの弧にします。嬉しい時や楽しい時の表現に使います。
女の子のキャラクターの場合は、まつげをつけても可愛いです。逆に、まつげをつけなければ男の子にも見えやすいです。
困り顔は、下がり眉と少し小さめの目で描き、口は逆への字にします。悲しい時や困った時の表現に適しています。
表情を描く時のコツは、眉毛を加えると感情がより伝わりやすくなることです。
眉の形・口の形だけでも表情は十分表現できますし、大げさに描くほど可愛らしく見えます。
ミニキャラの基本のポーズ2パターン
ミニキャラの基本ポーズをご紹介します。
立ちポーズは、まっすぐ立った状態で描きます。
腕は体の横に自然に下ろし、脚は肩幅程度に開きます。重心は両足に均等にかけるようにします。
座りポーズは一見難しそうですが、比率さえ守れば簡単に描くことができます!
胴体は半分の半分、4分の1と覚えておけば、そこから足を曲げるだけです。
もっと多彩なポーズを描きたい方は、以下の記事で紹介している資料集などを参考にしてみてください。

また、ポーズだけでなく、モチーフや小物と組み合わせて構図を考えるとミニキャラの魅力がさらに引き立ちます。以下の記事もぜひあわせてご覧ください。

ミニキャラの描き方でよくある失敗
イラスト初心者の方のために、よくある失敗をご紹介します。
①頬を強調しすぎてしまう
ふっくらした頬はミニキャラの可愛さを引き立てますが、強調しすぎると「コブ」のように不自然に見えてしまうことがあります。
実際、以前の私もそういった描き方をしていました。もちろん絵柄によっては成立しますが、商用イラストや依頼作品では控えめに描くようにしています。
②目の位置が高すぎる
こちらもよくある失敗のひとつです。
目の位置が頭の中央よりも上に来ると、ミニキャラでありながら大人びた印象になってしまいます。
可愛らしさを出すには、目はやや下めに配置し、おでこを広めに取るのがポイントです。
これらは、私自身がかつて経験した失敗でもありますが、絵柄によってはどれも正解になります。アレンジしても破綻しにくい柔軟さこそが、ミニキャラの魅力だと感じています。
今回の記事では、ミニキャラの描き方を3ステップで解説しました。
最初は思うように描けないかもしれませんが、とにかく比率を意識すれば、可愛いバランスを掴めるようになります。
この記事が、ミニキャラを描きたい方の参考になれば幸いです。